薬剤師転職の教科書

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病院薬剤師の転職

病院薬剤師はつらいから転職しない方が良い?【※元病院薬剤師】

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病院薬剤師と聞くとどんなイメージを持つでしょうか。

・調剤薬局よりも業務の種類が多い
・当直など拘束時間が長い
・お給料が少ない
…etc

などあまり良いイメージを持っていない方も中にはいると思います。

病院薬剤師に転職しようと考えていても、つらそうな印象を持ってしまうとなかなか転職には踏み出せませんよね。

私は以前病院薬剤師として働いた経験がありますが、確かに病院薬剤師は他の医療機関の薬剤師に比べて大変なこともありましたが、それ以上のやりがいを感じ、結果的に病院薬剤師を経験して本当に良かったと思っています。

この記事では、私の経験をもとに病院薬剤師のつらい体験ややりがいなどをご紹介していきますので、これから病院薬剤師になってみたいと考えている方はぜひ参考になる筈です。

病院薬剤師のつらい体験談

ではまず、実際に私が病院薬剤師で勤務していく中で感じた病院薬剤師ならではのつらい体験談についてお伝えして参ります。

病院薬剤師がつらい理由①:業務の数がとてつもなく多い

まず、病院薬剤師になって驚くのは業務量の多さだと思います。

調剤薬局ですと、受け取った処方箋の監査、調剤、調剤の監査、投薬、薬歴の記入が主な流れですよね。

病院薬剤師は調剤薬局の業務に加えて、病棟服薬指導、病棟ストック薬の管理、一包化薬のカートセット、注射薬の調整や準備、院内製剤の作成、定時薬の調剤などが加わります。

調剤薬局の業務でさえも手いっぱいなのに、それ以上に仕事があるなんてとびっくりした人もいるのではないでしょうか。

病院の薬剤部で働く薬剤師さんたちと協力しながら業務をこなしていきますので、チームとして周りを見ながら働くことに慣れていない薬剤師は、最初はかなり大変だと感じるかもしれません。

下記動画では、大学病院で務める病院薬剤師の仕事現場に密着して紹介されているので、ぜひ病院薬剤師のイメージをより鮮明につけてみてくださいね。

▼病院薬剤師の仕事内容イメージ動画

ただし、病院薬剤師の業務を一人前にこなせるようになると自分にかなり自信がつきますし、その経験・スキルが他の医療機関に転職した際など思わぬところで役立つこともあるのです。

病院薬剤師がつらい理由②:拘束時間が長い

ほとんどの調剤薬局は門前のクリニックの診療時間に合わせて勤務時間が決まっていますので、クリニックの診療が終われば薬局も閉められますし、クリニックがお休みの時は薬局もお休みというところが多いですよね。

それに対して病院は、入院患者さまがいるため薬剤部に常にだれかが勤務していなくてはいけない状態のため、普段の業務のシフトに加え、当直や当直補助、休日出勤などの時間外勤務が必然的に多くなります。

時間外勤務ですと、お友達と遊びに行けなかったり、プライベートの時間が削られてしまったりと何かと不便なことがまず思い浮かぶのではないでしょうか。

確かに私も拘束時間の長さについて不満を感じたことはありますが、私たちが努力した分だけ患者さまのためになっているということでもあると思うと自然と不満は消えるのも事実です。

努力を続けることで自分自身の仕事に誇りを持てるようになりますから、拘束時間がたとえ長くても頑張る価値は十分にあります。

病院薬剤師がつらい理由③:お給料が安い

病院薬剤師の基本給は、調剤薬局よりも低い傾向にあります。

時給で見てみますと、調剤薬局が時給2,000円~3,000円と提示しているところが多いのに対し、病院薬剤師は1,200円~1,800円くらいが相場です。

調剤薬局薬剤師 平均 583.8万円
病院薬剤師 平均 521.7万円

収入の高さが仕事のモチベーションにつながることも多々ありますので、給与の安い病院では働く意欲が出ないのではないかと心配される方もいますよね。

ずっと調剤薬局で働けば収入が良いままでいられるのに、わざわざ収入を下げてまで転職する意味はあるのかと思ってしまう気持ちはよく分かります。

実際私が病院で働いていた時も、決して良いお給料とは言えませんでしたし、月々のやりくりに大変だった時期もありました。

しかし、私個人の感想としては、病院薬剤師で得た経験やスキルを考えるとやはり給与が安くても病院で働いて良かったと思えますし、あの時の経験が、その後転職した仕事場でも役立つことがとても多いという面もあります。

どうしても収入が少ないことがネックでしたら、基本給だけで比べず当直手当などの時間外手当も含めて転職先に聞いてみると、病院は時間外勤務が長い分、給与がアップする可能性もあります。

病院薬剤師がつらい理由④:職場の人間関係

病院薬剤師は、調剤薬局やドラッグストアの薬剤師と違って少し集団が大きくなるため、それはもういろいろな薬剤師が在籍しています。

面倒見の良いお兄さん的な薬剤師もいれば、新人いびりをするような薬剤師も少なからずいるため、集団が大きいといい意味で緩和されますが、当事者になってしまった場合は困ります。

相性の悪い薬剤師と距離が近くなってしまうと、社会人の基本である『ほうれんそう』に支障が出てしまい、仕事に来るのが嫌になってしまうことでしょう。

病院薬剤師がつらい理由⑤:求められる学会発表や研究

つらいと思わない人ももちろんいますが、多くの病院薬剤師たちはこの学会発表の準備がつらいと言う人が多いです。

誰もがテーマを見つけることが出来る訳ではなく、テーマ選定に時間を要してしまうこともしばしばありますし、先輩薬剤師にテーマを振られても、無知な新人で上手くいくことの方が珍しいです。

業務終わりの時間を夜遅くまで準備することを良しとせず、単純に『嫌だな』と思ってしまうのは仕方ない部分も大きいでしょう。

病院薬剤師として働くやりがい

ここまで病院薬剤師のつらい体験をお話ししてきましたが、つらいことはあってもそれを乗り越える価値があることはなんとなく分かっていただけたのではないかなと思います。

ここから今度は、病院薬剤師としてのやりがいについてお話していきます。

病院薬剤師のやりがい①:ベッドサイドで患者さまと接せられる

まず、病院薬剤師と聞くと、ほとんどの人はベッドサイドでの服薬指導をしている薬剤師の姿が思い浮かぶと思います。

ベッドサイドでの病棟業務は、調剤薬局や診療所の薬剤師では経験できない病院薬剤師ならではの仕事と言っても過言ではありません。

医師や看護師など他の医療従事者はベッドサイドにゆっくり座って患者さまと話す時間がないため、決まった時間ゆっくりお話ができる病院薬剤師は患者さまのカウンセラー的存在になることもあります。

そして、そこで伺った話から患者さまの生活習慣や問題が見え、治療に役立ったということもよくある話ですし、その積み重ねが大きなやりがいになるのです。

また、病棟で患者さまとお話しすることで、一人一人の立場に立って考えるという薬剤師にとって重要な習慣を身につけることができますよ。

病院薬剤師のやりがい②:チーム医療を学べる

病院薬剤師になりたいと思っている人の多くは、チーム医療に参加をしたいという理由ではないでしょうか。

それぞれの医療従事者が専門的な知識やスキルを持ち寄って一人の患者さまを助けるために全力を尽くすチーム医療に薬剤師として参加し、患者さまのお役に立てたらこんなに嬉しいことはありませんよね。

私もチーム医療に参加した時、薬剤師になって本当に良かったと心からやりがいを感じました。

2019年現在チーム医療を行っている病院は年々増えていますし、大学病院や大きな病院ですと、積極的にチーム医療を取り入れているところが多いです。

ただ、まだチーム医療を取り入れていない病院もあるため、チーム医療への参加を目的に転職する場合には転職を希望する病院をよく調べてから面接を受けてくださいね。

病院薬剤師のやりがい③:資格を取るチャンスがある

病院薬剤師として働くやりがいとして、病院薬剤師ならではの資格取得ができる点も挙げられます。

現在、研修認定薬剤師や漢方・生薬認定薬剤師などの認定薬剤師の資格が何種類もあり資格取得を目指してがんばっている薬剤師も多いと思いますが、より難易度がとても高く薬のエキスパートとして働くことができる専門薬剤師も存在します。

専門薬剤師は、がん薬物治療や感染制御など5つの種類があるのですが、チーム医療内で適切な薬物治療の提案ができたり、点滴の調整技術を持ったりなど、高度な知識やスキルを持っている証明としての資格です。

実はこの専門薬剤師の資格取得の条件として、病院長の推薦や患者さまの症例報告が必要ですので、病院薬剤師の経験が必須なんですね。

ただ、どの病院でも取得できるのかというとそうではありませんので、資格取得を目指したいと思っている薬剤師さんは、まずどの病院・専門施設に転職すれば資格を目指せるのかということを調べてみるのが良いでしょう。

病院薬剤師のやりがい③:対外的な仕事に取り組める

病院薬剤師の活躍の場は病院に留まらず、先に紹介した学会や論文で全国や世界に情報を発信することが出来ます。

前述した専門薬剤師の資格を取得すると、その領域について仕事の依頼がくるようになることがあるため、講演会で講師を依頼されたり、ガイドライン作成に携わったりと多種多様な仕事に取り組めます。

病院外から仕事を任されることは責任感とともに他では味わうことのできないやりがいを感じられますし、講演代など支給されてモチベーションを上げる役割となってくれるでしょう。

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